歩いていたら、何かが、ぼとっ、と頭に落ちて来たので、触ってみると、生命反応。セミだ。
逃がしてやろうと思い、それを引っ掴んで手のひらを開いたら、どこかへ飛び立とうと、世話しなく羽を動かし始めた。
そして、さぁ、いざ行かん、というその時である。
手に、濡れた感触。
奴さん、粗相を置き土産にして、飛んで行きやがった。
立つ鳥跡を濁さず、という言葉を知らないのか。
大体、こっちは病み上がりだぞ、馬鹿野郎。
朝っぱらからみんみんじぃじぃうるさいし、どうなってるんだお前ら。
親の顔が見たいよ、まったく。
セミの親はセミなんだろうけどな、どうせ。