10/16の、友人が出演した劇の話。
実のところ、彼が在籍しており、且つ、劇を上演する学校へ赴くことに対して、かなり気持ちが重かった。15日に行く予定だと告げていたのを、もう出かけなければ間に合わないという時間まで悶々としていた挙句、勝手にキャンセルし、休養が入ったからと嘘までついた。結局、最終日となるこの日に、どうにか踏ん切りのついた形だ。
10/17の日記でもちらと触れたが、自分とは本来全く無関係な場所で、その関係者達に囲まれるというのは、敵地に単身乗り込むのと同じだ。誰とも感情を分かち合えない、駄弁を楽しむことも出来ない。その一方で育まれる、周囲の連帯感。そうなると、あとは萎縮の一途である。
そんな、ちょっと沈んだ気分で見に行った劇。舞台は明治時代。新撰組を題材にしていた。
友人は、主役だった。
素人なので、演技がどうのこうの、というのは分からないけども、とにかく一所懸命にやっていたのは、客席から見てもよく分かった。とてもおこがましい表現だけれど、本当に頑張っていたと思う。
劇の内容も、まっすぐで、彼らしいな、と思わせるような、爽やかなものだった。
終演後の挨拶で、4回生を送る式典が行われた。どうやら卒業公演の最終日であったらしい。
友人が後輩から花束をもらい、大きな眼から、これまた大きな玉の涙をボロボロと流していた。
その光景の感動以上に、劇を見ることに躊躇していた自身への罪悪感と羞恥心が、たまらなかった。
すまない、と思った。
式典も終わり、配られたアンケートに回答して、外へ出ると、キャスト達が各々の知り合いと、笑ったり泣いたりしながら、会話していた。もちろん友人もそこにいた。
友人は、まだ涙のたまっている眼でこちらの姿を認めるなり、形容の仕様がない程の完璧な笑顔で、「ありがとう」と言った。
それを言われて、絶句してしまった。返す言葉がなかった。
とうとう最後までまともな称賛の言葉もかけられぬまま、会話もそこそこに、そそくさと家に逃げ帰った。
あんな良い涙を踏みにじってしまって、恥ずかしかった。
次に会う時、正直に謝って、そして、感謝したい。
「ありがとう」と、言いたい。
それで許されるとは思わないけれど、自分なりの誠意を表さなければ、しめしがつかない。
近いうちに、アポイントメントを、取ろうと思う。
投稿者 sattyou : October 29, 2007 06:30 PM