ふと気付く。そういえば、ここ数ヶ月、ニキビの数が少ない。
そろそろ肉体的に子供な時期は卒業なのだろうか、なんてことを考えると、
少し寂しい気持ちに浸ってみたり、またそれを楽しんでみたりもするのだけれど、
よくよく考えてみれば、高校時代までの、所謂子供だった時期に、
楽しかった思い出があったかといえば、全然そんなことはない。
小学生時代のことなんてとうに忘れてしまったし、中学、高校はほとんど学内のことが
全てという調子だったから、特別、これをしたぞ、という思い出が見当たらない。
どちらかといえば、バイトの収入のお陰でできることが増え、また、当然自己責任であるにしろ、
休みたい時に休むことの出来る現在の方が、よほど毎日を噛み締めているような気分である。
元々、「老い願望」みたいなものがあった。
とはいっても、別に年齢的・肉体的に若いことが嫌だったわけではない。むしろあらゆる面で擁護された
あの頃は、あまり効率的に活用していたわけでは無かったにしても「便利」であったし、10代の
元気さ・丈夫さを保っていることが良いには違いないのだが、「若者らしい生活」を周りに要求されることは、
とにかく、ただただ苦痛だった。
スポーツに汗を流したり、まだ見ぬ未来に思いを馳せたりするような、「青春」らしい生き方よりも、
毎日地味な労働をして、週末には家でCDを聴いたり本を読んだり、質素・簡素な生活をする。
そんな、ともすれば「面白くない人間」なんて言われても仕方のないような生活を、ずっと望んでいた。
成人と呼ばれる年齢になって、周囲がそれを許し始めた。それは同時に「諦め」であるともいえる。
だけどそんなことはどうでもいい。今はそれを、素直に喜んでいたい。